「AIって、こわくないですか」
そう聞かれることがあります。
正直にお答えすると、私はこわくありませんでした。
強い人だから、ではありません。
たまたま、始めるきっかけが先にあっただけです。
では、あの「こわさ」はどこから来るのでしょう。
調べてみたら、少し意外なことがわかりました。
日本人がAIを使わない理由の1位は、こわさではなかったのです。
この記事では、その正体をひとつずつ分けて考えてみます。
「こわい」の正体は、たぶん映画です
まず、こわさの出どころから。
多くの場合、それは映画で見た景色です。
スカイネットもHALも、ずっと同じ筋書きでした
『ターミネーター』のスカイネットを覚えていますか。
コンピューターが自我を持ち、人間に牙をむく話でした。
同じ筋書きは、くり返し描かれてきました。
- 『2001年宇宙の旅』のHAL9000
- 『マトリックス』の機械たち
- 『ターミネーター』のスカイネット
40年以上、私たちはこの物語を見せられてきたわけです。
こわいと感じるのは、当たり前だと思います。
いま手元にあるのは、文章を返してくれる道具です
いっぽう、スマホに入れたChatGPTはどうでしょう。
打ち込んだ文章に、文章で返してくれます。
それだけです。
献立を考える。文章を整える。調べものを手伝う。
台所にある道具と、そう変わりません。
映画の景色と、目の前の道具。この2つは、いったん分けて考えてみてください。
でも、手が伸びない理由はこわさではないようです
ここからが、意外だったところです。
総務省が、生成AIを使わない理由を調べています。
今年の1月から2月にかけて行われた調査です(令和8年版 情報通信白書)。
その結果が、私の想像とちがいました。
1位は「必要ない」、2位は「使い方がわからない」
多かった順に並べると、こうなります。
| 順位 | 生成AIを使わない理由 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 生活や業務に必要ない | 42.4% |
| 2位 | 使い方がわからない | 38.8% |
| 3位 | 魅力的なサービスがない | 12.9% |
「情報漏えい、セキュリティ、安全性に不安がある」は10.4%で、4番目でした。
つまり、多くの人はこわがって避けているのではないのです。
「自分には要らない」と思っている。それが、いちばんの理由でした。
使う人は、2年で「10人に1人」から「半分以上」になりました
同じ調査で、日本の利用率も出ています。
これが、思っていたより動いていました。
| 調べた年度 | 使ったことがある人 |
|---|---|
| 2023年度 | 9.1% |
| 2024年度 | 26.7% |
| 2025年度 | 58.8% |
2年前は、10人に1人でした。
それが今は、半分を超えています。
伸び方は、いっしょに調べた4か国(日本・アメリカ・ドイツ・中国)のなかで、日本がいちばん大きかったそうです。
ただ、50代・60代はこれからです
ここで、年代別の数字も見てみます。
| 年代 | 使ったことがある人 |
|---|---|
| 20代 | 78.2% |
| 40代 | 49.0% |
| 50代 | 44.2% |
| 60代 | 33.5% |
私と同じ50代は44.2%、60代は33.5%です。
全体では半数を超えましたが、この年代は、まだ半分に届いていません。
まわりを見て「私だけ乗り遅れた」と思う必要は、なさそうです。
AIのほうも、半年でずいぶん変わります。
→ 半年前と今日、AIに同じ絵をお願いしてみた|変わったのは文字でした
私がこわくなかった理由
では、なぜ私は平気だったのか。
いま思うと、理由ははっきりしています。
「使えないと、この先ついていけない」と聞いていました
私には、始める前から耳に残っていた言葉がありました。
「AIを使えるかどうかで、この先の差がつく」
学びの場で、そう教わったのです。
だからアプリを入れるとき、こわさより先に「やってみよう」が来たのです。
こわさが消えたのではありません
ここは、正しくお伝えしておきます。
私のこわさが、なくなったわけではないのです。
「自分には要らない」が「要るかもしれない」に変わった。
順番でいうと、それだけでした。
さきほどの調査を思い出してください。1位は「必要ない」でした。
こわさをなくすより、きっかけをひとつ持つほうが早いのかもしれません。
それでも、気をつけていること
こわさを頭から否定するつもりはありません。
用心したほうがいい場面は、たしかにあります。
私が守っているのは、3つだけです。
①個人情報は打ち込まない
住所や電話番号、口座やクレジットカードの番号は書きません。
家族の名前や、勤め先も避けています。
「知らない人に見られても困らないこと」だけを打ち込みます。
②答えをうのみにしない
ChatGPTは、まちがえることがあります。
しかも、まちがいを堂々と書いてきます。
大事なことは、必ずご自身で確かめてください。
③人でなければ決められないことは、人に聞く
これは、自分の体のことで気づきました。
AIに相談したとき、思っていたより深いところまで踏み込んできたのです。
→ ChatGPTに「病院に行くべき?」と相談|AIに聞けること、聞けないこと
いちばん小さな一歩
最後に、始め方をひとつだけ。
大げさに構えると、かえって手が止まります。
今晩の献立を、ひとつ聞いてみる。
これで十分です。
冷蔵庫にあるものを打ち込むだけで、返事が来ます。
そこで「なんだ、こんなものか」と思えたら、こわさは半分ほどけています。
→ ChatGPTに献立を頼む方法|そのまま使える"お願いの型"つき
まとめ|分けて考えると、ラクになります
今回のお話をまとめます。
- こわさの正体は、たぶん映画で見た景色
- 手元にあるのは、文章を返してくれる道具
- 日本人がAIを使わない理由の1位は「必要ない」
- 使う人はこの2年で急に増え、いまは半分以上(50代は44.2%)
- こわさを消すより、きっかけをひとつ持つほうが早い
- 用心すべきは「個人情報」「うのみ」「人に聞くべきこと」
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